マレーシアでイスラム教徒にハラル食品の工場を案内してもらった。
ハラル工場ってどんなところ?
「Selmat pagi! Sudah makan?(スラマッ パギ!スダッ マカン?)」
「おはよう。ご飯食べた?」という意味です。マレーシア人はこれを友達から初対面の人にまで幅広く使います。英語の「Hello, how are you?」のようなものです。マレーシア人は食べることが大好きで、食べることはとても重要なことなんです。
そんなマレーシア人、特に人口の60%を占めるマレー系マレーシア人が食べる際に気にしなくてはならないのが、「ハラル」。
*ハラルとは何か、に関しては以下の記事をご覧ください。
ハラル食品を生産するには、第一にその製品を作る工場がハラル認証を受けていなければなりません。そんなハラル食品のスタート地点、ハラル工場に潜入してきました。
ハラル工場に潜入!
今回訪れたのはハラル食品ビジネスを行う友人Zalikhaさんの工場。マラヤ大学の学生でありながら自分のビジネスを持つやり手です。チルド食品の生産、販売をしています。
*マラヤ大学がどのような大学なのかは以下の記事をご覧ください。
種類は三種類。
製品の特色は①電子レンジでチンのみで食べられること②油分が非常に少ないことです。
マレーシア料理は、ナシゴレン、サテー、バクテー、ナシレマなど、どれもおいしいの、油と糖分を非常に多く含みます。そのため、マレーシア人の肥満率、糖尿病率は東南アジアにおいて堂々の第一位。
肥満気味、肥満気味、一つ飛ばして肥満気味。
44.2%が肥満、つまり国民の約半分が肥満です。*1マレーシアに来て以来3か月で3キロ体重が増えたことに大いに納得致しました。
油を多く含む食品は、妊婦さんや小さいお子さんを持つ母親に良くありませんよね。そこからアイディアを得て開発されたのがこちらの製品のようです。こちらの商品、商品を生産する工場共にハラル認証申請中です。
小学校以来の工場見学
ハラル認証取得待機中の彼女の工場です。場所はKLから車で一時間半ほどのところにあります。
こちらが外観です。空がキレイ。
入るとまず小さい事務室があり、その後作業場に続きます。
事務室にはこんな写真がありました。
上の二枚はマレーシア国王と王妃。
下の写真は共同経営者の父親がマレーシア国王からある賞を貰っているところなんだとか。なんの賞なのか気になります。
作業場の入口には洗面台が。
洗わないと工場に入ってはいけないらしいです。
そしてこの靴棚。
靴をこのサンダルに履きかえないと入ってはいけません。
またこのサンダル、ビーチサンダルやクロックスのようなものではダメで、足全体が覆われているものでないといけないのだとか。
そして作業場。
この部屋には冷蔵庫や作業机、パッケージに製品のシールを貼りつける機械などがあります。
そしてこれは、救急箱。
ハラル認証を得るためには必須なのだとか。というのは、作業工程で切り傷等をしたら血がでますよね。イスラムでは血も汚らわしいものと扱われるので、血が出た場合速攻で処理をしなくてはいけないようです。
調理室に入ります。
作業室と調理室の間は扉ではなく、このような分厚いビニールで繋がっています。
これも必須なのだとか。。
理由は、部屋と部屋を移動する際扉だとドアノブを触ってしまうためだそうです。
相当な徹底具合ですよね。
そして調理室
水道の横には手の洗い方が書かれた紙が張られています。
日本の小学校等に貼られているそれと変わらないように見えますが、ポイントは7番だそうです。しっかりと水を拭き取らないといけないのだとか。
これは調理用コンロです。
こんなでっかい鍋を置いて調理するのだと教えてくれました。
ハラルチェックポイント
一見とても綺麗なこの調理室。
しかし以前ハラルコンサルティングの方がここを訪れた際、衛生の観点から“二つ”変えるように忠告されたと言います。どこだかお気づきでしょうか?
<正解>
①床
溝がある床はこまかいゴミなどが溝に溜まってしまうのでNGらしいです。
②電気
天井についてるこの電気もカバーのあるものに変えないといけないようです。
イスラム教徒は日本をどう見ているのか。
いくつかハラル工場で発見したハラル工場の必要事項を記載しましたが、きっとこれらも一部に過ぎないのでしょう。果たして全部でいくつの必須項目があるのでしょうか。改めてイスラム教が如何に“清潔”を重視するかを実感しました。
これだけ清潔を徹底するイスラム教徒。果たして彼らの目にイスラム教徒でない日本人はどう見えているのでしょうか。
また、豚肉やお酒を飲みたいと思ったことはないのでしょうか。残りのマレーシア生活でローカル人に聞いてみたいと思います。